「リスクは分散しなければならない」というのは投資の基本中の基本です。しかし、多くの人が誤解しているのが「種類をいろいろ分ければそれでいい」と思っていることです。つまり、種類が多ければ万事OKと思っている節があるのです。しかし、たとえば株式投資の場合で、日経平均採用銘柄など日経平均と連動性の高い株ばかりをたくさんもっていると、日経平均が下がるときには自分の持ち株がみな同じように下がってしまうといったことが起きてしまいます。これではまったくリスクヘッジにはなっておらず、適切なポートフォリオとはとてもいえないのです。通貨も同じで、ニュージーランド(NZ)ドルとオーストラリア(AU)ドルのように似たような動きをする通貨に集中投資するよりも、NZドルとアメリカ(US)ドルなど異なる動きをする通貨を併せ持ったほうがよりリスク管理になるのです。たとえば、比較的異なる動きをするUSドルとユーロを持っておくのは賢明といえるかもしれません。リスクを分散するとは、統計の言葉を使えば「相関関係の低い」通貨に分散するということです。私はリスク分散の方法として、(1)投資対象の分散(2)通貨の3段階分散(3)購入時期の3段階分散(4)資金の3段階分散を心がけるべきだと考えています。(1)の投資対象の分散とは、円資産をメインに、インフレ対策として株式、インフレ円安対策としてFX(あるいは外貨預金)、ディフェンシブな資産として金、の3つに分散投資することです。(2)の通貨の3段階分散とは、利子の高い通貨であるNZドルとAUドル、機軸通貨としてUSドル、それにUSドルに代わる通貨(動きの異なる通貨)としてのユーロの3つに分けて分散投資をすることです。利益を上げたいときはNZドルとAUドルを中心に運用し、資産のリスクヘッジとして外貨投資をしたい人はスイスフランなどを混ぜながらUSドルやユーロの比率を上げるとよいでしょう。(3)の購入時期の分散とは、一度に目的の通貨を購入するのではなく、3回に分けて購入することです。たとえば、USドルを100万ドル買いたいなら、1回目は40万ドル、2回目は30万ドル、3回目は30万ドルというふうに買う時期をずらすことによってリスクを分散するのです。(4)の資金の3段階分散とは、資金を3段階に分散し、レベル1の安定運用、レベル2の25%運用、レベル3の積極運用というように、運用法を分散することです。この3つの方法を平均すると、トータルで40%前後の運用になるはずです。あるいは、必要に応じてそれぞれの比率を変えることも可能です。積極的に運用したい人はレベル3の比率を上げてレベル1の比率を下げればよいでしょう。レベル1のようなレバレッジの低い投資資金をポートフォリオに組み込んでおき、相場が動き、資金が必要になったときにはレベル1の比率を下げてレベル3の資金量を増やすといった臨機応変な対応をすることも可能です。目いっぱいのレバレッジを投資資金にかけていると、いざというときに機敏に対応できず、大きな利益を上げるチャンスを逃しかねません。その意味でも資金を3つに分散して考え、レバレッジ(運用法)を使い分けることは非常に意味があることといえるのではないでしょうか。