キリスト教の聖書というのをご存知だろうか。結構長い物語なのだ。現在ホテルの枕元にあるような聖書でも、細かい字がびっしり詰まっていて、結構な厚みがある。あれを活版以前の写字生は、ラテン語で一冊ずつ書き写していたのだ。正確な記録は残っていないが、当時の生産状況から考えると、ゆうに一年はかかったのではないか。それが活版印刷時代になって、一気にグーテンベルクが百八十五冊の聖書を作ってしまう。そしてその数はあっというまに増え、また需要もどんどん増えてくる。一冊の本が三百、五百、千になり、そして最終的に新聞というものが登場してくると、一晩で一万部を刷らなければいけないといった需要が出てくる。新聞印刷に対応するため、印刷機が急激に発達した。まず印刷活字は高速になると刷れない。活字というのは、いわばばらばらのはんこの固まりだから、あまり高速で動かすと一本一本に分解、崩壊してしまう。活字の印刷速度には限界があるものなのだ。それで輪転機という機械が発明される。
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