売り主が建築工事中の写真をすべて持っていたこと

2012.01.23

デザインは大事だが、職業柄、家自体の造り(施工状態)がどうかという点だった。住宅の耐久性は躯体構造の優劣で決まる。どんなに築年数の浅い建物でも、構造に手抜き(欠陥)のある家は寿命が短い。その意味では「新築は中古の家より長持ちする」とは、理由にはそうなるのだろうが、現実にはそうもいい切れない。逆に、躯体構造に欠陥がなく丈夫な素材を使って建てた中古なら、へたな新築よりもずっと耐久性があり、これから先も家屋を維持し続ける。

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そこさえ頑丈なら、あとは小さなリフォームの手を加えるだけで大規模な修善も要らない。そしてTさんは、日本の建築界の「悪しき事情」にも精通している。家を見る場合に一般の人は「欠陥はないのが普通」と思い込んでいるだろうが、Tさん自身は、手抜きはよく起こり、欠陥をつかまされる可能性は決して低くないと知っている。したがって、どんなにデザイン、間取りが気に入っても、躯体構造のチェックなしで家を買うつもりは毛頭なかった。その意味で、購入の最大の決め手は、その家の売り主(施主)が図面等の設計図書だけでなく、建築工事中の写真まですべて持っていたことである。